■■■『アミューズメント・パーティ』とはなにか?■■■

■『アミューズメント・パーティ』は1987年から日本大学法学部推理SF研究会会誌「ヘルメス」「ケイオス」に連載された、素人小説です。ジャンルをあえてつけるなら「青春活劇SFラブコメ」でしょうか。

■当時は家庭用ワープロのデータがようやく内蔵フロッピィドライヴでフロッピィ保存できるようになった時代です。楽光一は富士通OASYS Lite F-20という機種で執筆をしていました。20字×2行という狭い液晶画面でこつこつと親指シフトキーボードを叩いていたのです。

■長編小説を書くのは初めてでした。ただ、彼にとって、小説とは設計図を基に完成を書くもの。長編以外にストーリーものを書くという発想はありませんでした。

■連載は2年生の時期から始まり、就職活動で頓挫します。書く気がなくなったからではありません。情熱が削がれたからでもありません。ひとえに、設計図どおりにキャラクタが動かなくなったからです。逆に、キャラクタたちは設計図から離れ、のびのびと動くようになっていました。それを制御できなかった若い楽光一は、第17章執筆を最後にアミューズメント・パーティを封印してしまいます。

■1992年12月、アミューズメント・パーティは単行本で蘇ります。単行本『THE AMUSEMENT PARTY 1 好きの魔力』はまんが大会で100部限定・シリアルナンバー入りで発売されました。単行本は第1章から第10章までをまとめたもので、イラストレーションを新たに起こした以外は、基本的に連載時のままのものです。いまだに在庫があるこの単行本ですが、本書が21世紀になってまさかのAPブーム(笑)を引き起こすとは……。

■そして21世紀。ほとんど忘れられていた本書を発掘したひとがいます。その名は遠野真秀。彼女は本書をマウンテンサイクルから掘り出し、「黒歴史」を世に解いてしまったのです。21世紀は暗黒の時代となりました。特に楽光一にとっては……彼は書かれていなかった第18章以降を書かざるを得なくなりました。

■このコンテンツは、そんな遠野真秀嬢のために作られたといっても過言ではありません。楽光一の未来に幸あれ。

APFCトップにもどる