「孤独のグルメ」とは何か

■「孤独のグルメ」(久住昌之・原作/谷口ジロー・作画)は、扶桑社・月刊PANjAに不定期連載されていたまんが作品である。単行本は扶桑社から1997年10月30日に刊行。定価は税抜で1,143円である。

■個人輸入業者・井の頭五郎は、都内近郊を中心に輸入雑貨を売り歩いている。彼の商売そのものはそこそこ順調なのだが、彼にはひとつの悩みがあった。

■商談が長引いて、昼飯を食い損ねることが多いのだ。彼はそのたびに後悔し、空腹を引き摺って街を徘徊する。腹が減れば減るほど、他人には理解しがたい感情が膨らんで行く。

■飯は食いたい……でも、食いたいものがない……入りたいと思う店がない……。

■この、食に体する拘りが、小生には大いに共感を感じる部分だ。飯を食っているとき、頭の中に「ストーリー」を作るところもそっくりだし、はじめての店に入ることを極端に怖がったり、頼んだものに極端に後悔したりするところまでそっくりである。

■久住昌之の「ミクロの拘り」と谷口ジローの「精緻な画風」がミックスされてできた傑作が本書である。逆にこれを実写でやられても、興醒めするだけであろう。

 

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