【こんなゲームをやった】

龍虎の拳2

SNKネオジオ用カートリッジ 28,000円

by江戸村沙樹

 

 あれから一年――
 「無敵の龍」リョウ・サカザキと「最強の虎」ロバート・ガルシアが誘拐われたリョウの妹・ユリを奪いかえすべくサウスタウンに乗り込んでから、すでに一年の歳月が過ぎようとしていた。
 リョウたちを迎え撃った最後の強敵・Mr KARATEはリョウとユリの父であり、極限流空手の父でもあるタクマ・サカザキだった。謎の黒幕にタウンの支配に協力させられていたのだ。ユリという人質のために……。
 あれから一年――
 サウスタウンに再び拳のうなりが鳴り響くことになる。
 キング・オブ・ファイターズ。後にリョウ・サカザキを伝説の空手家たらしめ、若き闘士たちにその腕を試させる場所となり、若きケンカ野郎テリー・ボガードの登場によりその熱狂に終止符を打った「拳の祭典」。
 その第1回が、華々しく幕を揚げようとしていた。
 果たして真のキング・オブ・ファイターとは? そして、影で陰謀を巡らす謎のコミッショナーの正体とは?
 という訳で、ネオジオ格闘ゲームレヴュー第二弾は通好みのシリーズ第二弾、「龍虎の拳2」です。
 龍虎の拳2(以下「龍虎2」と略す)は、SNKのネオジオシステム「100メガショック!」シリーズの6本めのゲームになります(ちなみに1本めは一作めの「龍虎の拳」)。
 格闘ゲームは言わずと知れた「ストリートファイター」(カプコン)によってゲームジャンルとして定着し、今や「シューティング」「ロールプレイング」「アドヴェンチャー」「パズル」に続く一つのジャンルにまで成長したと言えるでしょう。
 「龍虎2」もまた、ある意味では「ストもどき」「スト亜流」の一派と言うことができます。
 平面的な(まるで芝居の舞台のような)横長のステージに対面配置されたキャラクタ、三本勝負二本先取の試合形態、レバーコマンドによる必殺技の数々……。
 龍虎シリーズは「ストもどき」であることを超えるために、一つのゲーム上の制約を設けました。
 必殺技の使用回数の制限。
 必殺技は「気力」によって賄われ、使用すれば「気力」は減り、使用するにしたがって必殺技の威力も減退していく。必殺技を再度完全な形で使用するには、「気力」を充填する必要がある――
 その「気力」の量を表すのが、体力ゲージの下にあるもう一つのゲージ、「気力ゲージ」。
 この枷があるため、ゲームに駆け引きが生まれ、より緊張感溢れる頭脳プレイが要求されます。
 ただし、「スト」や同社のもう一つの看板ゲーム「餓狼伝説シリーズ」をやりこんでいるゲーマーに言わせれば、「気力ゲージなんて邪魔なだけ」「一回使いきった気力を再び満タンにできるような隙を(CPU戦も対戦相手も)相手が与えてくれる訳がない」「もっと必殺技バリバリ使ってスカッと勝ちたい」となる訳です。

1994.03.13

 

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