■■■莫迦Mac図鑑■■■

■初号機■

Macintosh LCII

発売:1992年05月

購入:1993年05月

 なぜMacを購ったのか、はっきりとは憶えていません。

 でも、ヨドバシカメラ新宿西口店の2階、階段脇にどんと積まれていたLCIIの箱にときめいたのは事実です。

 その頃、DTPをやりたかった小生はOASYSのDTP能力に限界を感じて、パソコンの導入を検討していました。候補は確かPC9801DAだったかと。でもソフトウェアのことも知らず、プリンタ環境のことも判らず、何となくヨドバシやさくらややビックやソフマップをうろついていた小生の目に留まったのは、なぜかLCIIだったのです。

 SANYOの13インチモニタがついて9万ちょっとだったのではないかと思います。当時は日記をつける習慣がなかったので、かなり曖昧な記憶ですが。

 Macは今みたいにメジャーなブランドではありませんでした。パソコンとは98のことで、タウンズやX68を使っている人間は変わり者、Macは医者やアーティストのための高価なおもちゃでした。

 だいいち、パソコンを購って何をするのか? と言えば「ゲーム」だった時代です。まだインターネットも日本には存在していませんでした。NiftyServeやPC-VANの存在は知っていましたが、パソ通(21世紀になって死滅した言葉のひとつですね)をしようとも思っていませんでした。

 LCIIを購入する前に、実はパソコンは持っていました。PC9801NとNVです。

 当時のノートパソコンはハードディスクを持っていませんでした。フロッピィとRAMディスクのみで作業をこなすのです。MS-DOS3.3のメモリ領域の中で。今となっては信じられない話ですが、MS-DOSは作業領域を64KBしか持っていません。それ以上の作業をしようとしたら、RAMディスクをいじってMS-DOS外の領域を「作って」やらねばならなかったのです。複雑な呪文を用いて。

 MS-DOSの呪文に辟易していた小生には、MacのGUIは新鮮でした。マウスの使い方もろくに知らない人間でしたが、もうDOSには戻れない、そんな気がしました。

 しかし、初号機はすぐに、同じ会社の社員寮に住む先輩に売られていきました。小生のつたないローマ字入力ですら処理落ちしたからです。初めてのパソコン雑誌を購い、LCIIが一年前のマシンであることを知り、7月に出る新型を確認したのもこの時期です。

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